それまでにも何度か、国産のレモンを見掛けていたが、また今度、また今度・・と購入するのを先延ばしにしていた。早くしないと旬が終わってしまうではないか、と焦り始めていたところ、小ぶりだけれどみずみずしいレモンが袋にぎっしり入って並んでいた。売り場で目が合ったので、いよいよレモンシロップの支度をすることにした。
ていねいに洗ってヘタを取り、無理のない範囲でできるだけ薄切りにして、一枚一枚から種を外す。金柑のはちみつ漬けの時もそうだったけれど、柑橘類の下ごしらえというのは爽やかな芳香に包まれて、深呼吸しながらしあわせな気持ちになるものだ。カラコロとした氷砂糖と一緒に保存瓶へ。ゆっくりゆっくり必要な時間をかけながら、どんなシロップが出来上がってゆくだろう。
レモン、といえば、Peter,Paul and Maryのデビュー曲を想い出す。ほろ苦い恋愛の経験をレモンに重ねた歌。このシロップはどうぞ甘く仕上がりますように。