スコットランド生まれの伝統菓子。オレンジの風味が効き、放射状に並んだアーモンドがアクセントの、リッチなフルーツケーキ。その名は「ダンディーケーキ」。その名を初めて聞いた時、おしゃれな渋いおじさまのケーキかと思いきや、この「ダンディー」とはケーキの生まれた街の名前なのだという。
どっしりとした、このタイプのケーキは寒い季節になるといっそう恋しくなる。今回は、晩秋にラム酒に漬け込んでおいたフルーツをたっぷりと使って作ったためか、しっかりと大人の味になった。オレンジとレモンの果汁や皮も入れ込んであるので、ふわりとした柑橘の風味を期待していたのだが、ラム酒の豊潤さが上回ってしまったか。
2月ももう半ば。朝晩はさすがにまだ冷え込むが、日中の陽の明るさはどんどん力を増してきているようだ。北国の春の訪れはまだ先だろうけれど、この日々は間違いなく春に向かって続いている。3月、4月と、心弾む予定がひとつひとつ入ってきた。かろやかに新しい季節に向かって、助走をつけていこう。