割と無機質な、シンプルなガラスケースの中にいろいろな商品が並べられ、大小のマネキンにはカラフルな洋服が着せられ、あちらこちらにレイアウトされている。そんな非日常の店内の様子を見まわしながら、すれ違う大人たちにぶつからないように、親の後ろをついて歩く。
生まれて初めて連れられて行った古い百貨店の建物は、先日ついに解体工事が始まったという。百貨店、という言葉は、ノスタルジアをも思い起こさせる。久しぶりに街なかに足を運んで、百貨店の沖縄物産展で買い求めたサーターアンダギーを眺めながら、あの頃の懐かしい包装紙の匂いに思いを馳せた。