ふと、ブルーベリーの和名について調べてみた。すると、「沼酢の木(ヌマスノキ)」「沼酢塊(ヌマスグリ)」「アメリカ酢の木(アメリカスノキ)」…、酢の塊だなんて、聞いただけで口の中がジュワーっとしてくるネーミングだ。昔のブルーベリーはきっとそんな味がしたのだろう。
農園でまさに今、実りを迎えているブルーベリーたち。ひとつ実をつまみ、おそるおそる口に入れた方が、えっ、という表情をされる。ブルーベリーって、酸っぱいんじゃなかったの?…そしてもうひと粒、ふた粒。90分食べ放題と銘打っているけれど、開始終了時間を計るための時計は農園にはないので、日陰やカフェでひと休みしながら旬の果実を思う存分味わっていただける。細かな実や、熟して少々やわらかくなった実で、私自身ジャムを作る事もある。けれど、まずはこのまま。みずみずしく、ぷっくりと実り完熟した生の果実がどんな風味を持っているのか、確かめていただけたら嬉しく思う。ひと粒、ふた粒、この夏に出会える果実を。