音で読む物語。

何年も前から、熱心に朗読の活動をしている伯母がいる。年の初めの便りに、2月に朗読会に出演するとしたためてあった。久しぶりに、応援に行ってみよう。ここ何年か、大きな声で何かを発表することを自粛せざるを得ないような情勢だったけれど、だんだんに世の中がゆっくり進みだしたので、こういった催しも少しずつ元気を取り戻してきたようだ。20数名くらい入る会場はほとんどの席が埋まっていた。

読み手が朗読する作品は小説や随筆など様々だ。声の表情だけで、登場人物たちの性別や年代はもちろんのこと、その箇所が今どのような場面なのか― 和やかなくつろいだ情景なのか、緊迫した状況なのかなど―、までも表現する。また、随筆などであれば、読み手がこの作品のどんな部分に共感しているのだろう、とか、きっとこの部分を伝えたいのだろうな、などと考えながら耳を傾けるのも楽しい。そして読み手それぞれの持ち味を、間近で感じることができるライブ感がいい。何か舞台を見た後のような、ふっくらした満足感に包まれる。

今日の朗読会は公民館の喫茶店スペースを利用してのもので、会費は無料。その代わり、どうぞなにか一杯の飲み物をオーダーしてくださいね、という催しだった。だから、温かいコーヒーなどと一緒にリラックスして楽しむことができた。ちょっとしたきっかけがあれば、これまで知らなかった物語の入り口に立つことができる。

出番が終わってからの伯母は、いつもの茶目っ気のある笑顔に戻っていた。今日こそが自分が一番若くいられる日。だから、一日一日楽しみましょうよ。応援にいったつもりが、元気なエネルギーのおみやげをたくさん受け取ることができた。

SHOP INFO

営業時間

7月上旬〜9月上旬10:00〜16:00【定休日:期間中無休】

10月〜6月は閉鎖期間のため営業しておりません。

オープンカフェのため天候等により臨時休業する場合があります。

住所

岩手県岩手郡雫石町七ツ森129

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